京の花街文化

インタビュー

上七軒 地方

さとすけ さん

絶対に必要な縁の下の力持ち

うちは社会人を経験した後、地方(三味線)として店出しさせていただきました。そもそも、最初は花街のことを全く知らずに上七軒のお茶屋中里に仲居として入りました。ネット検索で見つけたのが上七軒どした。店では芸舞妓さんが出入りしはります。なかでも地方のお姉さん方の仕事ぶりが「かっこいい」と思たんです。目立たない立場ながら絶対に必要な役柄で、お客様のご要望にも即応えて弾かはる姿がまるで職人さんみたいと思たんどす。

里の助さん

うちは小さい頃から負けん気が強い子で、何か一つの道を極めるような職人さんに憧れてました。この気持ちがあったので「これや」と思い仲居を始めて一年程で、女将さんに「地方になりたいんです」と打ち明けました。びっくりされましたが地方さんが少ないこともあって受け入れて下さり、仕込みさんの生活が始まりました。先づ長唄の別稽古で三味線を重点的に。そして検番でのお稽古とは別にお姉さん方にもお稽古をつけて頂きました。対面でお姉さんが弾かはる手を見て、聞いて何回か繰り返した後「ほな弾いてみよし」と云われ、見様見真似で弾くのどす。その時に覚えた曲は今でも体に染み込んでいます。おかげでお座敷もだんだん慣れてきて、今では楽しおす。お客様に喜んでもらえるのも嬉しおすし、厳しいお稽古の賜物やと思てます。

里の助さん

それに上七軒には俗曲がたくさんあります。お座敷で、その時々の風俗や世情を唄った曲が出来、それがまたとても素晴らしい。仮名手本忠臣蔵の俗曲「十二段返し」とか、うちが大好きな「赤げっと五段返し」とか、他にいっぱいあってそれが昔のレコードに残っているので、それらをすべて覚えるのが目標どす。立方の芸妓さんが踊るには地方が絶対必要どす。上七軒には地方専門が少人数どすし地方さんの芸妓さんが増えて欲しおす。
そやから地方を増やす為には、まず存在を知ってもらう必要があると思い、ここに登場させてもうて、ネットを通じてどんどんアピールしていこうと思てます。絶対不可欠な存在、地方、応えてくださる方はきっといはります。

里の助さん
  • 祇園甲部 芸妓 真生さん

  • 祇園甲部 舞妓 真矢さん

  • 宮川町 芸妓 とし真菜さん

  • 宮川町 舞妓 とし真紗さん

  • 先斗町 芸妓 豆八重さん

  • 先斗町 舞妓 もみ紘さん

  • 上七軒 芸妓 梅葉さん

  • 上七軒 舞妓 ふじ千代さん

  • 祇園東 芸妓 雛佑さん

  • 祇園東 舞妓 満彩光さん